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アウディイグニッションコイル、プラグ
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静岡県小山町の県道で観光バスが横転した事故現場=2022年10月13日午後1時43分、本社ヘリから 拡大
静岡県小山町の県道で観光バスが横転した事故現場=2022年10月13日午後1時43分、本社ヘリから

 富士山麓(さんろく)を走る静岡県小山町の県道「ふじあざみライン」で13日、観光バスが横転し、乗客1人が死亡、26人が重軽傷を負った事故は、ブレーキの多用で制動力が低下する「フェード現象」が原因とする見方が専門家の間で強まっている。

 自動車運転処罰法違反(過失致死)容疑で送検されたバス運転手は「ブレーキが利かなくなった」と話しているという。乗用車でも起きる可能性があるフェード現象。どうやって防いだらいいのか。

 事故は13日正午前に発生した。旅行会社大手「クラブツーリズム」(本社・東京)が企画した観光ツアー中、乗客・乗員36人を乗せた観光バスが右下りカーブを走行中に道路左側の斜面に乗り上げ、横転したとみられる。静岡県警が運転手やバスの運行会社「美杉観光バス」(埼玉県飯能市)などを捜査している。

 「運転手の発言や事故現場の地形から、フェード現象が発生したと考えるのが自然だ」。警察や損害保険会社の依頼で100件を超える交通事故の原因を調べてきた交通事故鑑定士の中島博史さん(56)=千葉県柏市=は、今回の事故についてこのような分析をしている。

 一般的な自動車のフットブレーキは、車軸に取り付けた金属に樹脂などで作られた摩擦材を接触させ、駆動力を摩擦熱に変えて動きを止める仕組みだ。

 しかしフットブレーキを多用すると摩擦材が過熱して溶け、金属との接触面に働く摩擦力が急速に低下する。フェード現象は山道などの急な下り坂で速度を落とす際に発生することが多い。

静岡県小山町の県道で横転した観光バス=2022年10月13日午後1時55分、本社ヘリから 拡大
静岡県小山町の県道で横転した観光バス=2022年10月13日午後1時55分、本社ヘリから

 中でも大量の荷物や人を運ぶトラックやバスなどの大型車はブレーキをかける際に生じる摩擦熱が大きいためフェード現象が起こりやすく、過去には道路外への横転や転落、多重衝突などの重大事故が発生している。

 2002年6月には静岡県熱海市で観光バスが県道脇の石垣に衝突。1人が死亡し33人が重軽傷を負った。13年2月には大分県九重町で観光バスが町道からJRの線路に転落、44人が重軽傷を負っている。

 ただ大型車の多くはフットブレーキだけに頼らず、エンジンからの駆動力を抑える排気ブレーキやリターダーなどの補助ブレーキを備える。

 中島さんは「大型車の運転手にとって、補助ブレーキを使うことは基本だ。フットブレーキの多用に加え、整備不良など何らかの不具合で補助ブレーキも作動しなかったのではないか」とも推測する。

 フェード現象は大型車に限った問題ではない。日本自動車連盟(JAF)は普通乗用車、中でも多人数が乗車し、荷物も積み込めるスポーツタイプ多目的車(SUV)やミニバンの運転には特に注意が必要と指摘する。

 マニュアル車、オートマチック車ともにギアを低速に切り替えることでフットブレーキに頼らず速度を落とせるといい、担当者は「運転をする際は低速ギアの存在を頭に入れておいてほしい」と注意喚起する。

 折しも政府の旅行需要喚起策「全国旅行支援」が始まり、車の運転に慣れていない人がハンドルを握る機会も増えると予想される。JAFは「下り坂にさしかかる前に減速し、車間距離を空けるなど、日ごろから安全運転を心がけて」と呼びかける。【渡辺薫、五十嵐和大】

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